二色性色素
色素を配向させると、ある方向からは着色して見え、それと垂直な方向からはほとんど無色に見えることがあります。
このような現象を示す色素を二色性色素といいます。
この性質を利用した偏光フィルムは、ひとつの振動方向の光、つまり、
偏光を選択的に吸収し、それに直行する偏光はほとんど吸収しない性質を有しています
(自然光を透過し、反射光を見えなくします)。
液晶用二色性色素では、液晶表示(LCD)において、液晶中にゲスト分子として二色性色素を溶解させて、
液晶の配向方向と同じ方向に色素が配向する事を利用する方式で、偏光フィルムを用いなくても光シャッター機能を発現できます。
液晶用二色性色素 ※三井化学ファイン(株)からの受託製品
液晶ディスプレイは、従来のブラウン管型ディスプレイのように自ら発光して表示するものではなく、光の透過を活用したディスプレイであり、様々な分野で使用されております。
受託製品の二色性色素は、液晶に対する溶解性、コントラスト(二色比)、鮮明性に優れ、液晶掲示板、自動車のインパネ表示などに広く利用されています。
また、市場急伸が予測されている液晶性調光フイルム用(スマートウィンドウ)の二色性色素の検討にも取り組んでおります。
偏光フィルム用二色性色素
当社の偏光フィルム用二色性色素は、4色のラインナップを保有しており、組み合わせることで自在な色調調整が可能となります。
また、色素の耐熱性が高く、様々な樹脂への練り込みが可能となります。
フィルム材料へ色素を練り込み、延伸することで偏光性能が発現します。
使用例として、メガネレンズに偏光フィルムを組み入れることにより、反射光をカットする機能付与が出来ます。