特定波長吸収色素

特定波長吸収色素とは、紫外線領域から近赤外線領域までの広い波長域の中で、
ある一定範囲の波長域のみを吸収する色素のことです。
肉眼では見えない近赤外光を吸収する色素や、
特定の色のみを吸収する色素も特定波長吸収色素に含まれます。
メガネレンズやディスプレイの機能付与などに広く用いられています。

山本化成では、紫外線領域から近赤外線領域までの広い波長域について
特定の波長域をシャープにカットできる特定波長吸収色素を幅広くラインナップしております。

紫外(UV)~近紫外[~420nm]

紫外線による劣化防止、耐久性改善、光学材料向けのHEV(高エネルギー可視光線)カットなどにご活用いただけます。

従来のベンゾトリアゾール系のみならず、非ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤もラインナップしています。

可視(Visible)[400~700nm]

可視光線の特定波長を吸収することにより、色をコントロールすることが可能となります。

また、可視光の特定波長をシャープにカットすることにより、色純度を向上させるといった機能性付与にもご活用いただけます。

近赤外(IR)[700nm~]

近赤外線を吸収することにより、熱線遮蔽による遮熱やレーザー光を熱に変換するといった機能を活用したり、その波長特性を利用して、センサー用途、セキュリティインク用途、トレーサビリティ用途など、様々な用途へご活用いただけます。

紫外(UV)~近紫外[~420nm]の特定波長カット色素

紫外線領域のみならず、400nm付近の可視光領域までカットが可能となります。

高耐久性非ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を保有

近年、一部のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が残留性有機汚染物質(POPs)の規制候補物質に指定されました。

そのため、代替となる非ベンゾトリアゾール系色素の開発に取り組んでおります。

高耐久性非ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を保有
高耐久性非ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を保有

このほか、ベンゾトリアゾール系色素についても開発に取り組み、既存のベンゾトリアゾール系UV吸収剤よりも長波長領域(可視光領域)までカット可能な色素も保有しております。

可視(Visible)[400~700nm]の特定波長カット色素

可視光領域をカットする色素は、ディスプレイや高機能サングラスなどに利用されています。

Eagle View®(特定波長のみに吸収)

Eagle View®(特定波長のみに吸収)
サングラスの機能性付与に利用した事例です。

サングラスなどの機能性付与に利用できます。

可視光領域の特定波長領域をカットすることでコントラストが改善し視認性が向上します。

Eagle View
Eagle View
伊藤光学工業株式会社のホームページより抜粋

近赤外(IR)[700nm~]の特定波長カット色素

近赤外線吸収色素は、その波長特性を利用して、センサー用途、セキュリティインク用途、トレーサビリティ用途など、広い分野で利用されています。

応用例としては、可視領域を全てカットさせ、近赤外領域はカットしないということも可能です。

この場合、外観は黒色だが、赤外線は通すという機能が期待出来ます。

PPに可溶な黒色IR透過色素

近赤外線吸収色素を利用した波長制御の利用例です。

可視光域を遮蔽して黒色に見えるが、IR領域は透過可能なPP樹脂の例です。 協力:(株)プライムポリマー

IR吸収繊維 ~ 目視では見えにくいがIRカメラで模様を視認可能

近赤外線吸収色素を練り込んだ機能性繊維用途です。(協力:東京家政大学)

布地の意匠性を損ねることなくQRコードやロゴ等を掲載可能

近赤外線吸収色素を樹脂糸に練り込み、真贋判定などに利用可能な機能性繊維の用途例です。

IR吸収繊維でQRコードや様々な模様を刺しゅうし、その上に通常の繊維で刺しゅうすることで外観上は見えず、IRカメラでのみ確認可能となります。

近赤外線吸収色素を利用した波長制御の利用例です。

目視では見えにくいがIRカメラで模様を視認可能

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